リアハウジングの木材について-その6

前回までにリアハウジングの硬さと密度による音の違いを説明しました。これらを踏まえた上であらためて木材表を見てみましょう。(※画像をクリックすると拡大表示されます)

グループA
最高レベルに硬い木材。
タイト、シャープ、ソリッドな音。
音の線が細いが濃く描かれる傾向にある。
キレがありスピード感のある音。

グループB
とても硬い木材。
タイト、シャープ、濃い音。
Aグループに比べて音がすこし太くなり、コントラストの強い音となる。

グループC
標準的な硬さの木材。
A、Bグループに比べて音が柔らかい。音色もウォーム。

グループD
密度が高く重たい木材・
油分が多い木材で、硬さの数値よりも油分の影響による柔らかさがある。
音の重心が低く、低音寄りとなり高音は控えめとなる。
音とリッチな低音が特長で音はゆっくりしている。

グループE
硬いが密度は低めの木材。
タイトで軽やかさのある音。明るく開放感がある音。
パワーや低音はすこし控えめになる傾向。

グループF
柔らかい木材。
柔らかくウォームな音。
エッジがラウンドしており聴きやすい音。

グループG
特殊な木材。

実際にはさらに木材は細かく分類され、木材1つ1つの音は微妙に違いますが、あまりに情報量が多いとわかりにくいため7つのグループに分けています。

注意その1)

ここで注意しなければならないこととして、硬さや密度による音の違いは、あくまで「他の木材と比較した場合」に限るということです。

例えば、最も硬いスネークウッドを使った場合、必ずしも硬い木材の特徴的な音(高解像度、クリア、シャープ、タイト」になるわけではなく、あくまでスネークウッドよりも硬さが低い木材と比較するとそれらよりも硬い木材の特徴的な音になるということです。

注意その2)

また、木材の選択による音の変化の度合いはわずかなもので、そもそものベースとなるイヤホンの音を大きく変えるものではありません。

よって、例えばマイルドでソフトな音を望む場合、木材を柔らかいものにするよりも、そもそもマイルドな音のイヤホンのモデルを選んだほうが良いです。

木材の選択は魔法のように大きく音を変える手段ではなく、ほんのわずかに自分の好の音に変化させるための手段でしかないということです。
ただし、それでも違う木材のイヤホンを2つ聞き比べれば、どちらか一方のほうが好みだと感じる程度には音は違うので、バックプレートの木材選びは自分好みのイヤホンを作るための楽しみの1つであると思います。


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