ROXA-T1000 開発ストーリー「純チタンから64チタンへ 」

ROXA-T1000は、これまでフラッグシップモデルとして展開してきたLOAK2-TXシリーズとは異なる素材、「64チタン(Ti-6Al-4V)」を採用した新しいモデルです。
音の方向性は、未発表モデルであるLOAK2-TX00や、LOAK2-TX03と非常に近い位置にありますが、筐体素材の違いによって、その音の質感や表現には明確な差が生まれています。

今回は、ROXA-T1000で64チタンを採用した理由と、純チタンとの音の違いについて、できるだけ具体的にお話ししたいと思います。


TXシリーズの純チタン筐体)

LOAK2-TXシリーズでは、純チタンを採用してきました。純チタンは金属としては比較的柔らかく、内部損失が高い素材です。そのため、金属筐体でありながらも音が硬くなりすぎず、どこか有機的で自然な響きを持たせることができます。

音の傾向としては、
・中低域に適度な粘りと厚みがある
・高域は刺激的になりすぎず滑らか
・全体として「金属らしさ」を感じさせない自然な音

長時間のリスニングでも疲れにくく、音楽的な心地よさを重視したいリスナーに向いた素材です。
特にLOAK2-TX01、TX02の中低域のボリューム感や、TX03の柔らかい聴きやすさは、この純チタン筐体による影響が非常に大きいと考えています。


64チタンという素材の特性)

ROXA-T1000で採用した64チタン(Ti-6Al-4V)は、純チタンとはまったく異なる性格を持つ素材です。
航空宇宙分野や医療分野でも使用されるほど、非常に高い強度と剛性を持っています。

純チタンと比較した際の特徴としては、
・剛性が高く、変形しにくい
・共振が起きにくく、振動が速やかに収束する
・内部損失が低く、音の立ち上がりと減衰が明確

これらの特性は、そのまま音に反映されます。
64チタン筐体では、振動板の動きが筐体によって抑え込まれにくく、音の輪郭がよりシャープに現れます。


音に現れる純チタンと64チタンの違い)

ROXA-T1000の音は、LOAK2-TX03やTX00と同じ方向性にありながらも、以下の点で違いがあります。

まず、解像度。
64チタンの高い剛性により、音がにじまず、微細な音の輪郭がよりはっきりと描かれます。

次に、高域の伸びと透明感。
高域はより遠くまで伸び、空間の広がりや空気感が強調されます。金属筐体でありながら、刺さるような硬さではなく、澄んだ美しさを感じさせる高音です。

そして、余韻と響き。
純チタンは音をやや留める方向に働きますが、64チタンは余計な響きを付加せず、音がすっと消えていきます。そのため、全体として開放感があり、見通しの良い音場が形成されます。


ROXA-T1000の音)

ROXA-T1000は、
・より高い解像度
・高域の伸びと透明感
・開放感のある音場

これらを重視する方に向けたモデルです。
一方で、純チタンを採用したLOAK2-TXシリーズには、音の厚みや柔らかさ、落ち着いた音楽性という魅力があります。

どちらが優れているという話ではなく、素材が変われば音の表情も変わる。
ROXA-T1000は、64チタンという素材の特性を最大限に活かし、「より洗練された方向」へ音を突き詰めたモデルだと考えています。


おわりに

ROXA-T1000は、素材の選択から見直し、これまでのフラッグシップとは異なるアプローチで音を作り上げた挑戦的なモデルです。

もし、
・LOAK2-TXシリーズが穏やかに感じる
・より解像度と空気感を求めたい
・LOAK-TX01、TX02とは明確に違う方向性の上位機種を求めている

そう感じている方がいれば、ROXA-T1000はきっと新しい選択肢になるはずです。
ぜひウェブサイトの商品ページ、このモデルの詳細ページもチェックしてみてください。

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