ROXA-S100

ROXA-S100は、旧モデルMIROAK-IIの後継機として開発された新モデルです。
上位機種LOAKのサウンドを継承しながら、新設計のハウジングデザインにより装着感と音の安定性を向上。また、ハウジング素材の見直しによってコストを抑えつつ、フラッグシップモデルにも迫る高い音質を実現しました。

こちらのブログでは、ROXA-S100の詳細や他モデルとの音の違い、リア筐体バックプレートに使用する木材素材について解説いたします。ご注文や製品の基本情報については、以下の製品ページをご覧ください。

筐体素材について)

旧MIROAK-IIから筐体の形状と素材が大きく変更されました。

フロント筐体:ステンレス(CNC)
ボディ筐体: 高精度樹脂素材 (3Dプリント)
リア筐体:木材 (セレクト可)

ROXA-S100のフロント筐体には、上位モデル「LOAK2」と同じ設計のステンレス筐体を採用しています。当初はコストを抑えるために樹脂素材も検討しましたが、音質面で十分な結果が得られなかったため、最終的にステンレスを選択しました。
ステンレスは、チタンに比べて音の伝搬速度こそ劣るものの、ダイナミック型ドライバーの振動をしっかりと抑え、ブレのない安定した音を実現します。その結果、芯のある力強い低音と明瞭な輪郭を持ったサウンドが得られています。

ボディ筐体には、高精細3Dプリント樹脂素材を採用しています。
この素材は旧モデル「MIROAK-II」で使用していたABS樹脂よりも硬度が高く、振動に対する反発が速いため、音の解像度とキレの向上に寄与しています。また、樹脂を採用することで、価格面でも大幅なコストダウンを実現しました。

さらに、ボディ筐体は浸透染色とコーティング塗装を組み合わせた仕上げになっています。表面だけでなく素材自体に色を染み込ませているため、浅い傷がついても色剥げしにくく、イヤホンの外観を長く保つことができます。

筐体設計について)

ROXA-S100の筐体は、新たに一から設計を見直しました。ゼロベースで再設計することで、これまでのモデルで使いにくかった部分を改善し、装着感も大幅に向上しています。
MIROAK-IIやLOAK2と比べて、耳の前後でしっかりとホールドする形状となり、安定した装着が可能になりました。これによりイヤホン本体の振動が抑えられ、音のブレがさらに軽減されています。

また、ケーブルの出る角度や位置を最適化することで、装着時の見た目もよりスマートになり、自然なフィット感を実現しています。

リア筐体のバックプレートには、これまでと同様にお好みの木材を選択できますが、今回から木材の厚みを半分に、直径もひとまわり小さく設計しています。これにより、全体の軽量化とフィット感の向上を両立しました。

さらに、ダイナミック型ドライバーの背面には空気の流れをコントロールするためのポートを設けています。従来は樹脂筐体側に配置していましたが、ROXA-S100では木材側にポートを設ける設計に変更しました。これは、木材が持つ適度な内部損失と吸音特性を活かし、振動や空気の圧力変化を自然に和らげるためです。その結果、密閉感を保ちながらも息苦しさのない、抜けの良い低音を実現しています。

音について)

ROXA-S100のサウンドは、旧モデルMIROAK-IIよりも一段上のクオリティに仕上がっています。

全体としては、LOAK2のステンレス+樹脂ハウジングバージョンと言ってもよいほど、上位モデルに近い音質です。上位モデルのLOAK2は素材や構造の違いにより高価ですが、価格面で購入をためらっていた方には、ぜひ一度ROXA-S100を試していただきたいと思います。音の好みによっては、LOAK2を選ばずとも満足できるほどの完成度です。

サウンドの傾向としては、LOAK2-TX01(02)とTX03の中間に位置します。もちろん、ステンレス+樹脂という構成上、チタン筐体ほどの音の速さや密度はありませんが、その分、ダイナミック型ドライバーの空気流入量をより精密に制御し、振動板に適度なテンションをかけることで、MIROAK-IIよりもシャープでタイトな音を実現しています。

音のキャラクターとしては、筐体素材から生まれる力強い低音をベースに、自然でマイルドな中高域が特徴です。旧MIROAK-IIよりもバランス志向に仕上げており、全帯域でのまとまりと安定感が向上しました。ノリの良さを保ちながらも聴き疲れしにくく、長時間のリスニングにも最適。結果として、より幅広いジャンルに対応できる柔軟なサウンドに仕上がっています。

まずはROXA-S100を試し、そのサウンドに満足できるかを確かめてみてください。
もしさらなる音の深みや素材の違いを求める場合には、その先に上位機種を検討すればよいでしょう。

バックプレートについて)

ROXA-S100のバックプレートは、これまでのMIROAKやLOAKシリーズと比べて直径が一回り小さく、厚みも半分以下に設計されています。構造上、木材の体積が小さくなったことで、音に与える木材の影響はわずかに減少しています。そのため、以前のモデルに比べて木材による音の違いが出にくく、どの木材を選んでも安定したサウンドを楽しめるようになりました。

また、ボディ部分が樹脂素材で構成されているため、金属筐体に比べて適度な柔軟性があります。この柔らかさがドライバー背面の空気圧を自然に逃がす働きを生み、木材の種類による音の差をやや穏やかにしています。つまり、どの木材を選んでも、ボディがわずかに“しなる”ことでドライバーに適度な反発を与え、心地よい響きを保ちます。

実際のサンプルとして、スネークウッド・ホンジュラスローズウッド・黒柿・花梨瘤の4種類を製作しました。その中では、スネークウッドが最も硬質でタイトな音を示し、輪郭のはっきりした明瞭な音色が特徴的でした。一方、黒柿と花梨瘤は音の傾向が非常に近く、聴き比べても違いを感じるのが難しいほどです。

木材の密度や硬さを基準に選んでもよいですし、単純に見た目の美しさや模様で選ぶのもおすすめです。これまでのモデルのように木材による音の差をシビアに考えず、より自由に楽しめる構成になっています。

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