ダイナミック型ドライバーの振動について(その3)

ダイナミック型ドライバーが生じる「振動」について。3回目。

今回は「ダイナミック型ドライバーが生じる振動をどう抑えるか?」についてのお話しです。

振動をおさせるために制振材というものがありますが、それについての解説です。実は使い方を間違えるとあまり効果がないと私は実感しています。

前に筐体にがっつりとドライバーを固定すると筐体も一緒に振動してしまうということをお話ししましたが、この制振材も同じです。

オーディオ機器にもこういった制振材のゴムや柔軟素材を「貼り付ける」ことで振動を抑えるという手段を耳にしますが、私がテストした結果だとあまり効果がないというのが実際のところでした。

ドライバ―や筐体よりよっぽど重量があるものであれば効果はあるかもしれませんが、制振効果のあるゴム素材やソフトな素材、鉛などの金属シートなどでは実際に多少の振動は吸収されて抑えられたとしても音として実感できるような効果はありませんでした。

洗濯機や冷蔵庫など振動する素材の下に敷く制振防音シートなどは効果がありますが、あれは洗濯機や冷蔵庫の重さがあるから効果があります。つまり重さという力がそれに加わることで初めて大きな効果があります。

これらの制振防音シートを振動する洗濯機に張り付けても恐らくあまり効果はないはずです。下に敷くことで初めて大きな効果があります。

これと同じことがドライバ―の振動にも言えると思います。

しかしダイナミック型ドライバ―の場合はそれ自体に重さがないのでドライバーをそれらの上にポンと乗せたところで意味がないですし、貼り付けただけではほとんど効果が得られません。

では、どうするのか?

そこで私が考えた1つの手段が「突っ張って力を加える」です。
これについて次回詳しく解説したいと思います。

※実際にはオーディオ機器に小さな重量や質量のないシールのようなものを貼り付けて音が良くなると謳っている商品もあるようなので、それらを否定するものではありません。ただ、私が色々試した結果いろんな振動を吸収するシートタイプの制振材を貼ってもたいして効果はなかったです。厳密にいえば効果はわずかにあったかもしれないが音として実感できるような効果がなかったということになります。

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